子どもの肌は、大人の肌に比べてやっぱり繊細で弱いです。単純に薄く、そしてバリア機能も未熟です。だからこそ肌トラブルも多く、適切なホームケアや治療が必要です。様子見を続けることは得策ではありません。皮膚の状態を早く適切に見極め、早期治療と早期改善につなげるために、少しでも気になったら気軽にご相談ください。
お母さんから受け取ったホルモンの影響で、生後2週間頃から皮脂分泌が盛んになり生じるニキビです。数か月で自然に改善します。
ホームケア
1日1回、泡立てた石鹸を手に取り、優しく包むように洗います。この時、ガーゼなどで洗うのは、肌への刺激になるためNGです。38℃前後のぬるめのお湯でしっかりすすぎましょう。洗うときもすすぐときも、シワをしっかり伸ばして、シワの深いところまでしっかり洗い、しっかりすすぐことが重要です。浴後はタオルで押さえるように水分を拭き取ったあと、保湿剤は塗った直後にティッシュが1枚くっつくくらい、たっぷり塗りましょう。
頭皮や顔の特にTゾーン、耳まわり等に余分な皮脂が残ってしまうことで、魚の鱗のような黄色いかさぶた(乳痂)ができます。
ホームケア
入浴の15〜30分前にワセリンやオリーブ油を塗ってかさぶたを柔らかくし、石鹸で優しく洗います。一回で無理に取ろうとせず、数日かけてケアしましょう。入浴後はしっかり保湿、保湿することで余計な皮脂が出てきにくくなります。
生後半年前後から、過剰だった皮脂が今度は減ってきます。子どもの肌は水分保持機能が未熟なため、生後半年頃から皮脂が減るとガサガサになり、かゆみを伴う乾燥肌になります。バリア機能が低下するとアレルギー物質や細菌が侵入しやすくなり、アトピー性皮膚炎、とびひ、水いぼ等を起こす原因になります。
ホームケア
お風呂上がりだけでなく、日中も乾燥が気になる時はこまめに、しっかり保湿を行い、部屋の湿度を適切に保ちましょう。2か月以上改善しない場合は他の疾患の可能性もあるためご相談ください。
湿ったおむつ内での尿や便の成分、お尻を拭く摩擦が刺激となって炎症を起こします。特に胃腸炎や便秘に伴う頻回の緩い便があるときには、腸液に含まれるアルカリ成分が刺激となるため特に注意が必要です。
ホームケア
こまめにおむつを替え、お尻を優しくよく洗い、水気を丁寧に拭き取って清潔に保つことが重要です。特に赤みがあるうちは、おむつ替えの度に毎回流水で洗い流しましょう。100均で購入したスプレーや、ペットボトルの蓋に穴を開けて作った手作りシャワーも便利です。洗った後はワセリンやアズノール軟膏で皮膚をコーティングし、刺激物が直接肌に触れないように保護します。炎症が強い場合はステロイド軟膏を短期間のみ使用します。
よだれやそれを拭き取る刺激で口のまわりが荒れる、刺激性接触皮膚炎の一種です。まずは清潔に洗い流し、軟膏などで保護して対応します。
おむつ内の高温多湿な環境でカンジダというカビが繁殖する病気です。おむつかぶれとの違いは、しわとしわの間など、尿や便が直接触れない部分までブツブツや赤みがあることです。抗真菌薬の軟膏が必要になるため、おむつかぶれケアでなかなか治らない時は再度受診してください。
生まれつきのバリア機能不全とアレルギー素因(ダニ・ハウスダスト等)が合わさり、痒みを伴う湿疹が改善と悪化を繰り返して慢性化します。掻くことでさらにバリア機能が低下する悪循環を防ぐため、ステロイド外用薬を中心とした薬物療法・スキンケア(洗浄と保湿)・環境整備の3本柱で治療します。当院ではただ処方するだけでなく、外用薬の塗り方やその他のホームケアを丁寧にご説明し、ご家族の負担を最小限にすることも目指しながら、長く続けられる方法を提案します。
強い痒みのある赤い地図状の膨らみが突然出現し、数時間で消えたり、また別の場所に出たりを繰り返します。アレルギーのほか、子どもでは風邪などの感染症や疲れ、寒暖差が誘引となって引き起こされるケースも多いです。
治療・ホームケア
抗ヒスタミン薬の「内服」と「外用」が基本です。体を温めるとかゆみが悪化するため、冷やすのが効果的です。蕁麻疹が出ている間は、入浴はぬるま湯で短めにするかシャワーのみにし、運動も控えましょう。繰り返しているうちに慢性化することもあるため、蕁麻疹が消えた後もしばらく抗ヒスタミン薬の内服を続けて消し切ることが重要です。
汗の出口が詰まって炎症を起こし、首や背中などにかゆみや赤みがでます。必要に応じて軟膏やステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬の内服を用います。
ホームケア
衣服を着替えさせ、入浴やシャワーで肌を清潔に保ちましょう。夏場は25~28℃、冬場は18~22℃を目安に室温を管理し、通気性の良い衣類を選んで皮膚が高温多湿になるのを防ぎましょう。
虫刺されやあせも、湿疹の掻き傷から掻いた指に付着していた細菌が入り、強いかゆみを伴う水ぶくれが全身へ広がる病気です。
治療とホームケア
抗菌薬(内服・外用)で治療します。皮膚を清潔に保ち、いじらないことが鉄則です。病変部をガーゼ等でしっかり覆うことができれば登園・登校は可能ですが、水ぶくれが完全に乾くまではプールは禁止です。爪は短く切っておき、なるべく掻かないように、冷却や保湿を繰り返しましょう。
特定の物質に触れて起こる湿疹です。漆、ゴム、金属などに触れて数時間~1日後に起こる「アレルギー性」と、せっけんや体液、化学物質などの接触により皮膚が直接傷つく「刺激性」(おむつ・よだれかぶれ等)があります。触れた部分を清潔に洗い、軟膏やステロイド外用薬で治療します。
蚊、ブヨ、アブ、ハチ、クモ、ムカデ、有毒毛虫など原因は多様で、大きく腫れて水ぶくれになり、跡が残ることもあります。短期的にステロイド外用薬を使用します。掻きむしるととびひになりやすいため注意が必要です。
虫よけ剤の選び方
主成分の「イカリジン(15%で6~8時間持続)」は小児への使用制限がなく安心です。一方「ディート」は生後6か月未満の赤ちゃんには使用できず、年齢による回数制限があるため注意してください。肌に均一に塗ることが大切です。
ウイルス感染による、光沢のある白い丸いイボです。イボ自体に痛みやかゆみはありません。半年~1年程度で自然に消退するため当院では出血や痛みを伴うピンセットでの摘除は原則積極的にはおすすめしていませんが、ご事情に合わせて自費診療の銀イオン配合クリーム(3A M-BF CREAM/1本税込2500円)の処方も行っています。
銀イオン配合クリームについて
1日2回(朝・入浴後)、水いぼとその周囲に塗ります。最短2週間~2か月前後で水いぼ部分だけが赤くなるのが「効果が出始めたサイン」で、その後約1か月で消失していきます。副作用は稀なかぶれ等(1.7%)で、重篤なものはなく負担が少ないです。治療中も登園やプールへの制限はありませんが、タオルの共有は避け、プール後はシャワーでよく洗い流してください。
思春期に皮脂分泌が増え、毛穴が詰まってアクネ菌が増殖し、赤く腫れたり膿を持ったりします。痕が残りやすく思春期の大きな悩みになるため、早期治療が大切です。
治療
既に赤く炎症を起こした赤ニキビには抗菌薬などを使いますが、それだけでなく、まだ炎症を起こしていない初期段階(白ニキビ)のうちからしっかり治療することが大切です。
ホームケア
毛穴が開いた状態を保つための洗顔と保湿が重要です。規則正しい生活も、余分な皮脂の分泌を抑制します。効果が乏しい場合は高度医療機関へ紹介します。
寒い季節(特に初冬や春先)に手足の指や耳たぶなどが赤く腫れてかゆがります。寒さで皮膚の細い血管の血流が悪くなることや、湿った状態が原因となります。治療は暖めながらビタミンE軟膏でのマッサージ、または漢方薬(ショウガや呉茱萸を含むもの)も効果的です。
予防
手袋・靴下での保温、浴後の完全な乾燥、足首を締め付けない適切なサイズの靴選びが大切です。
未成熟な毛細血管が増える良性のあざ(腫瘍)です。生後数週間でイチゴのように赤く盛り上がります。多くは5~7歳にはほぼ自然消退しますが、場所(目、耳、口、首など)により機能障害や跡の心配がある場合は、シロップ薬、手術、レーザー等の適切な治療が必要となるため、まずは一度ご相談ください。
過去にかかった水ぼうそうウイルスが体内に潜伏し、疲労等をきっかけに神経に沿って、体の片側だけに痛みを伴う発疹・水ぶくれとして現れます。子どもでも発症のリスクがあり、早期の抗ウイルス薬治療が効果的です。
発熱や咳などと一緒に発疹が出る場合は、周囲への感染配慮や全身状態の観察が必要です。
2歳頃までに多く、39℃前後の高熱が3~4日続いたあとに、解熱とともに体幹部を中心に淡い細かな紅斑が出現します(2~3日で自然消退)。痛みやかゆみはありませんが、解熱後にもかかわらず不機嫌を伴うのが特徴です。
乳幼児の夏風邪の代表で、のど、掌、足の裏、膝、お尻などのほか、もともと肌荒れがあった部分にも水疱が出現します。特に乳児では口内炎の痛みで飲食ができず脱水症や低血糖を起こすことがあるため注意が必要です。
両頬に赤い斑点、手足に網目状(レース状)の発疹がでます。こうした皮膚症状が出る前には熱のない軽い風邪症状が数日あり、そのときには感染性がありますが、発疹が出た時点ではすでに他人に感染させる恐れはなく、元気なら登園可能です。年長児では微熱や頭痛、関節痛を伴うこともあります。
軽いかゆみを伴う紅斑が全身に広がり水ぶくれになります。頭皮に水疱があれば水ぼうそうの可能性が極めて高いです。すべての発疹が完全にかさぶたになるまで登園・登校は禁止、痂皮化確認後に許可証を発行します。空気感染し感染力が強いため、十分な隔離が必要です。ワクチンで予防可能。
高熱、咳、鼻水、目ヤニから始まり、一度解熱したあと再び高熱と発疹が顔・首から全身に広がります。肺炎、中耳炎、脳炎の合併リスクが高く注意が必要です。空気感染で極めて感染力が強いため、十分な隔離が必要です。ワクチンで予防可能。
発熱、首のリンパ節の腫れ、小さな発疹がみられます。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに障害を持つ「先天性風疹症候群」のリスクがあります(妊娠1か月で50%以上、2か月で35%程度)。当院では同居ご家族など大人の方へのワクチン接種も可能です。
髪の毛にアタマジラミが寄生して卵を産みつけ、頭部のかゆみや湿疹が起こります。集団生活や家庭内でうつし合うことが多く、専用シャンプーを3~4日おきに4回程度継続して成虫・卵を取り除きます。
紫外線を過剰に浴びると「皮膚の老化が早まる」「皮膚ガンを起こしやすくなる」「白内障などの目の病気リスクが高まる」といった問題が生じます。赤ちゃんの頃から強い日焼けを避けることは、生涯の健康を守るために大切です。晴れの日だけでなく曇りの日も注意しましょう。
対策:紫外線が最も強い午前10時~午後2時の長時間の屋外活動を避ける。日陰やひさしの下で遊ばせる。つばの広い帽子や、紫外線を反射しやすい白・淡色で繊維が詰まった服を選ぶ。
日焼け止めの目安:日常生活ではSPF15~20・PA++、海や山ではSPF20~40・PA++~+++を目安に、低刺激性で汗水に強いウォータープルーフを選びます。十分な量をしっかり塗り、使用後は石鹸などできちんと洗い落としてください。
子どもの肌トラブルやアレルギーの治療は、お薬を飲んで明日すぐに終わるものではありません。根気強く日々のケアを続けることが何よりも重要となります。無理なく続けられる、なるべくシンプルなケアの方法をお伝えするよう心がけています。気になるお肌の症状がありましたら、どうぞいつでも気軽に相談してください。