🏥 2026年 11月 開院予定
小児科医がよく診る病気

🦠 感染症

子どもの感染症

感染症とは、細菌やウイルスなどの病原体が体内に入り、症状を引き起こす病気のことです。

子どもは成長の過程で、さまざまな感染症にかかります。特に乳幼児期に集団に入った途端、次々に感染症にかかり、登園を始めて1年間は風邪を引いていない時期の方が短いほどです。しかしこうした感染の反復によって、子どもたちは免疫を獲得していきます。

感染でよく見られる症状として、熱や咳、鼻水、下痢、嘔吐、発疹などが挙げられます。同じような症状に見えても、それぞれの病原体には、子どもたち同様に「個性」があり、その個性を捉えることで正確な診断に繋がります。

また正確な感染症の診断には、「周囲の流行状況」の把握も重要です。ご家庭内や園内・校内で、明らかな流行があればぜひ教えてください。

上記のようなお子さん本人と周りの情報を集めた上で、必要に応じて検査を行って診断に繋げ、治療ができるものについてはしっかりと治療していきましょう。

感染時には、薬の治療と同等かそれ以上に、ホームケアが重要です。当院ではそうしたホームケアについても、丁寧にご説明できるよう心がけています。なにか気になることがあれば、そうした点についても気軽にスタッフまでご相談ください。

子どもの体調の変化は早いことがありますので、「普段と少し様子が違うかな?」「受診すべきか迷う」という段階でも、ぜひ気軽に受診してください。

緊急!すぐに受診が必要な症状

以下のような様子が1つでもあれば、速やかに当院または医療機関を受診してください。

  • 生後3か月未満の乳児が38度以上の熱
  • 顔色(唇や爪)が明らかに悪く、呼びかけても視線が合わない、ぐったりして生気がない
  • 呼吸が明らかに苦しそう、呼吸の度に胸やのど元がペコペコ凹む、呼吸時の音が変
  • 激しい嘔吐や下痢を繰り返し、水分が取れず、おしっこの量が明らかに減っている
  • けいれん(痙攣)を起こした

よくある感染症の特徴と登園目安

病名をタップすると詳しい説明が開きます。

1. 呼吸器・のど・全身の感染症
2. 発疹を伴う・夏に多い感染症
3. 消化器・目の感染症

1. 呼吸器・のど・全身の感染症

主にウイルスが原因で、発熱、鼻水、咳、喉の痛みなどを伴う最も一般的な感染症です。ゆっくり休み、小まめな水分補給で自然に回復していきます。

急な高熱、全身の倦怠感、頭痛、関節痛、のどの痛み、咳、鼻水、時には消化器症状を引き起こします。まずは予防接種を早めに打って、重症化を予防しましょう!

治療と注意点
発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を使用すると、回復が半日~2日程度早まりますが、使わなくても自然に回復します。薬の有無にかかわらず、急に走り出す・幻覚を見るなどの「異常行動」を示すことがあるため、発症後少なくとも2日間は、寝るときも含めてお子さまをひとりにせず見守り、戸締りもしっかりしましょう。

登園基準
発症した後5日間、かつ解熱した後2日間(幼児は3日間)は出席停止

2歳までにほぼ全員が感染しますが、生後6か月未満の乳児や早産児、心肺に基礎疾患がある子では特に重症化しやすいため注意が必要です。妊婦さんが接種する予防薬・アブリスボは、2026年4月から定期接種となり、公費で接種できるようになりましたので、妊娠28週〜36週6日の妊婦の皆さんは忘れずに!

特徴
鼻水から始まり、2~3日後に激しい咳、ゼーゼー・ヒューヒューする呼吸(喘鳴)、哺乳困難をきたします。特効薬はなく対症療法が基本ですが、酸素吸入や入院が必要になるケースもあります(1歳未満は迅速検査が可能)。

RSウイルスに似た症状(発熱、咳、鼻水、ゼーゼーする息苦しさ)を引き起こす、子どもに非常に多いウイルスです。熱が5日前後長引く傾向があります。特効薬はなく対症療法が基本ですが、水分・酸素が十分に摂れない場合は入院が必要になります(6歳未満で肺炎が疑われる場合は迅速検査が可能)。

溶血性連鎖球菌による感染で、高熱、激しい喉の痛み、喉の奥の小さな出血点、舌が赤くブツブツになる「イチゴ舌」、体のかゆみを伴う発疹(猩紅熱)などが特徴です。

治療と注意点
ペニシリン系などの抗菌薬を指示された期間(通常10日間)必ず最後まで飲み切ってください。途中でやめると、再発やリウマチ熱(心臓や関節への合併症)を起こすリスクがあります。抗菌薬治療をしても、1~4週間後に腎炎を起こすことがあります。血尿や尿量減少、浮腫などがあれば必ず受診してください。

登園基準
適切な抗菌薬治療を開始してから24時間が経過し、熱が下がり元気になれば登園可能

幼児~学童期に多く、鼻水は比較的少なく、長引く激しい乾いた咳と熱が特徴です。「熱の割に比較的元気で活動的」という傾向があります。それゆえに、元気で歩き回った患者が撒き散らし、感染が拡大しやすいです。

6か月~3歳頃に多く、ウイルス感染で喉頭(声帯の周り)が腫れて気道が狭くなる疾患です。

特徴
「犬吠様咳嗽(ケンケン、オットセイの鳴き声のような咳)」や声がれが特徴で、夜間~明け方に悪化しやすいです。特徴的な咳が出る、息を吸うときに音がする場合は、病院でしかできない吸入薬やステロイド内服で、喉の腫れを早急に抑える必要があります。

初期は風邪と似ていますが、徐々に激しい咳が連続し、顔を真っ赤にして咳き込むようになります。特に乳児は息ができなくなる(無呼吸)リスクが高く入院が必要です。小学校入学前に自費の3種混合ワクチンで免疫を補うことが推奨されます。

登園基準
特有の咳が消失するか、抗菌薬治療を5日間完了するまで出席停止

2. 発疹を伴う・夏に多い感染症

2歳頃までに多く、突然の39℃前後の高熱が3~4日続きます(この間、風邪症状はほぼなく軟便を伴うことがあります)。解熱とともに全身に発疹が現れますが、この発疹が出ている時期に極端に不機嫌になる特徴があります。発疹は2~3日で自然に消え、診断は発疹が出て初めて確定します。

手の平や足の裏、膝やお尻などに典型的な水疱ができる夏風邪です。エンテロウイルス等が原因で、特効薬はなく、3~7日で自然軽快しますが、口内炎の痛みで飲食が難しくなるため脱水に注意が必要です。

登園基準
熱がなく、普段の食事が摂れれば皮疹があっても登園可能

手足口病の皮疹がないタイプの夏風邪で、突然の41℃近い高熱と、のどの奥(のどちんこの近く)にできる小さな水ぶくれ・潰瘍による激しい痛みが特徴です。高熱は1~4日で下がり、のどの症状も1週間程で治まります。

登園基準
熱が下がり普段通り食事ができれば登園可能

水痘・帯状疱疹ウイルスによる強い感染症です。赤い発疹から1日で水ぶくれ(水疱)へと変わり、数日で黒茶色のかさぶた(痂皮)になります。新旧の発疹・水疱・かさぶたが混在するのが特徴です。

治療
抗ウイルス薬を5日間内服

登園基準
すべての発疹が完全にかさぶたになるまで出席停止

両頬がリンゴのように赤くなり、手足にレース状・網目状の赤い発疹が出ます。パルボウイルスB19というウイルスが原因で、1~2週間で自然に治ります。

登園の目安
発疹が出た時点で感染力はなくなっているため、元気であれば登園可能

麻疹ウイルスによる極めて感染力が強い空気感染の病気です。高熱、咳、鼻水、目ヤニが3~4日続いたあと、一度熱が下がってから再び高熱が出て、同時に特徴的な皮疹が全身に広がります。肺炎や脳炎などの深刻な合併症を起こしやすく、死亡することもあるため、ワクチンでの予防が重要です。

登園基準
解熱後3日間まで出席停止

微熱、首や耳の後ろのリンパ節の腫れ、小さな赤い発疹が特徴で、おおむね3日で消失します。妊娠初期の女性にうつすと、赤ちゃんの目・耳・心臓に障害が出る「先天性風疹症候群」の原因となるため、妊婦さんへ患児を近づけない配慮が必要です。

登園基準
解熱し発疹がすべて消えるまで出席停止

ムンプスウイルスにより、耳の前や顎の下にある唾液腺(耳下腺・顎下腺)が大きく腫れて痛みます(食事時に痛みが強まります)。腫れは3日目がピーク、約1週間で改善します。

登園基準
耳下腺などの腫れが現れてから5日間が経過し、かつ全身状態が良くなるまで出席停止です。

おたふくかぜに似ていますが、ウイルスではなく他の細菌などが原因で、片側の唾液腺が何度も腫れる病気です。2~3日で引くのが特徴ですが、初診時におたふくかぜとの区別がつかない場合は、念のためおたふくかぜに準じて「腫れてから5日間」は出席停止として管理します。

EBウイルスやサイトメガロウイルス(CMV)による感染症で、急な高熱、激しい喉の痛み、首まわりのリンパ節の強い腫れ、全身の発疹、目の周りのむくみなどを引き起こします。熱が1~2週間と長引くことがあり、血液検査で診断します。特効薬はないため自然軽快を待ちますが、肝機能低下や高熱持続で消耗が強い場合は入院加療が必要です。

3. 消化器・目の感染症

口から入ったウイルスや細菌が、胃にいる間は嘔吐して、それが腸に向かうと腹痛や下痢を引き起こします。発熱はあることもないこともあります。脱水を避けるためには、嘔吐があっても少量頻回で水分を摂っていくことが重要です。一気に飲ませず、経口補水液をスプーン1杯から開始しましょう。おしっこの量が明らかに減ったら必ず受診を。

39~40度の高熱が4~5日持続する喉の痛み(咽頭扁桃炎)、目の強い赤み・目やに(結膜炎)、下痢や腹痛(胃腸炎)を引き起こす感染力が強いウイルスです(迅速検査が可能)。

登園基準
・はやり目(流行性角結膜炎:熱なし、結膜炎のみ):目の症状がなくなり感染リスクがなくなるまで出席停止
・プール熱(咽頭結膜熱):主要症状(発熱・咽頭炎・結膜炎)が消失した後、さらに2日間が経過するまで出席停止

感染予防

感染症を完全に防ぐことはできませんが、下記を徹底することでかなりの数を防げると言われています。実際に、私たち小児科医はこれらのおかげでほとんど風邪を引きません!

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