🏥 2026年 11月 開院予定
小児科医がよく診る病気

👂 耳鼻目の病気

こどもの耳鼻目の特徴

  • 子どもは大人に比べて鼻の通り道が狭い
  • 耳と鼻をつなぐ管(耳管)が太くて短い
  • 目と鼻をつなぐ管(鼻涙管)が細い

上記のような耳鼻目の「子どもらしさ」が、これらの臓器に様々な症状を引き起こす原因になります。聴覚・嗅覚・視覚という大事な感覚を司る臓器でもあるので、症状を長引かせずに早く適切に治療してあげることも重要です。

子どもの耳・鼻・目のトラブルは風邪に伴う一時的なものから、アレルギー、長引く感染症まで原因はさまざまです。耳鼻咽喉科・眼科という目耳鼻のエキスパートがいる中で小児科に行くべきなのか、と思われるかもしれませんが、私たち小児科医の強みは「子どもを診慣れていること」と「子どもに慣れていること」です。当院では、小児科専門医がお子さまの全身状態や既往歴、ご家庭や園・学校など周囲の状況も含めて丁寧に確認し、必要に応じて治療、あるいは適切な診療科へご紹介させていただきます。些細と思われることでも、お気軽に、まずは小児科にご相談ください。

子どもによくある耳鼻目の病気

1. 耳のトラブル

鼓膜の奥にある中耳と呼ばれるスペースに、子どもは水が溜まりやすいです(滲出性中耳炎になりやすい)。その水溜まりでウイルスや菌が増殖すると炎症を引き起こし、中耳炎になります。特に2歳までのお子さんに多く、小学校に入るまでに60~70%の子どもが少なくとも一度は罹ると言われています。発熱とともに耳を抑えて泣くような激しい耳の痛みが特徴です。耳鏡と呼ばれる機械を使って、鼓膜を直接観察して診断します。

治療:抗菌薬の使用基準について
「中耳炎だったら即!抗菌薬」ではありません。2歳以上で片側のみ、耳だれがなく、全身状態が良好で強い痛みがなければ、抗菌薬を使わず、痛み止めのみで数日経過観察することもあります。ただし、①2歳未満(特に生後6か月未満)、②両側の中耳炎、③耳だれを伴う場合、④2歳以上でも丸2日以上39℃以上の発熱や強い耳の痛みが続く場合などは、ガイドラインに従って抗菌薬を使用します。一度飲み始めた抗菌薬は、最後までしっかり飲み切ることが重要です。改善しない場合や重症化・慢性化が疑われる場合は、近隣の耳鼻咽喉科へ紹介させていただきます。

生まれつき耳の周囲(付け根など)に小さな穴が開いている状態です。胎児のときに耳が形成される過程で閉じきらなかったものです。

ホームケア
ときおりチーズのような臭い分泌物が出ることがあっても、無症状であれば治療の必要はありません。ただし、穴から細菌が入って赤く腫れて痛む(感染を起こす)場合は、抗菌薬の内服や腫れた部分を切開して膿を出す治療が必要です。感染を繰り返す場合は手術で穴を取り除くこともあります。

2. 鼻のトラブル

鼻から喉へ繋がる空気の通り道の途中に、大きな「ほら穴」がいくつもありますが、そうした「ほら穴」を「副鼻腔」と呼び、そこに炎症が起きた状態のことを副鼻腔炎と呼びます。小児で副鼻腔炎を起こしやすいのは、圧倒的にアレルギー性鼻炎を持つお子さんです。また、感染当初から黄色や緑の粘稠な鼻水が出た場合、副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎の存在を疑います。副鼻腔炎が慢性化すると、後鼻漏による長引く咳、口臭、頭痛、発熱、集中力の低下などを引き起こします。

治療
アレルギー性鼻炎の治療を適切に行うと治る症例を多く経験します。特に点鼻薬で鼻の粘膜の腫れを取り除くことで、「ほら穴」の開口部を押し広げ、内部に貯留した膿を洗い流すことができます。症状の改善に乏しい場合には、抗菌薬を投与することもあります。

子どもの鼻の粘膜(特に鼻中隔の前方)は非常に敏感なため、ちょっとしたのぼせや興奮、風邪・アレルギー性鼻炎によるムズムズ感から鼻を触ってしまう(鼻ほじり)ことで容易に出血します。鼻の病気(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎)をしっかり治療し、鼻血が出やすい状態そのものを改善することが重要です。

正しい止血法
小鼻の両側をしっかりと指でつまみ、軽くうつむいて、圧迫を解除せずに10分間は圧迫を続けます。これだけで止まることがほとんどです。

※ 押さえるのは小鼻で、鼻の付け根ではありません。
※ 上を向かせると血が喉に垂れてむせたり嘔吐の原因になるので止めましょう。
※ ティッシュを詰めると抜くときにかさぶたが剥がれて再出血するため止めましょう。

喉や鼻の奥にあるリンパ組織(免疫の前線基地)が年齢に伴い大きく腫れる状態です(アデノイドは6歳頃、扁桃は7歳頃に最大となり、10歳頃にかけて自然に小さくなります)。肥大により空気の通り道が狭くなってしまうと、「いびき」「睡眠時無呼吸」「寝起きが悪く日中眠そう」「食事に時間がかかる」「中耳炎・鼻閉の反復」などの原因になります。基本的には経過観察ですが、呼吸障害や睡眠障害が強い場合は手術が必要な可能性があるため、専門病院へご紹介します。

3. 目によくみられる異常・病気

乳幼児期(6歳ころまで)は、目の発達にとって極めて重要な時期です。特に3~4歳ごろまでに早期発見・早期治療を行うことが、生涯の視力を守るための鍵となります。以下のようなサインがあればご相談ください。

ものを見づらそうにしているサイン
  • 目を細めてものを見ている
  • テレビを近くで見ている
  • 首を斜めにして見ている
  • まぶしがる
  • 学校の健康診断で目の異常を指摘された など

全人口の少なくとも20%にみられる増加傾向の疾患で、多くは花粉やハウスダストが原因です。目の強いかゆみ、充血、結膜の浮腫(むくみ)を認め、多くの場合でアレルギー性鼻炎を合併します。

治療
問診と診察で診断し、抗ヒスタミン薬の点眼や内服薬で治療します。症状が強く点眼で十分な改善が認められない場合はステロイド点眼も選択肢になりますが、眼圧上昇リスクがあるため、定期的に眼圧評価ができる眼科医と連携して経過観察を行います。

結膜炎はアレルギーによって起こるものだけではありません。もう一つの代表的なものは、ウイルスや細菌感染によって引き起こされる、感染性結膜炎です。ウイルス性であれば特効薬はないため経過観察が基本となりますが、細菌感染の合併を起こすことがあるので、時に抗菌薬の目薬を使用します。

またそれ以外に、全身の炎症性疾患の症状の一つとして、結膜炎を引き起こすことがあります。代表的なのが「川崎病」です。こうした疾患は子どもにしか起きないものもあるため、発熱を伴う目の充血があったときに、小児科医が全身を診察することが極めて重要です。

まぶたにしこりができる病気ですが、原因と経過が異なります。

・麦粒腫(ものもらい):まぶたの汗腺や毛根、皮脂腺に細菌が繁殖して起こる急性感染症で、赤みと強い痛みを伴い、通常数日~1週間程度で改善します。
・霰粒腫:皮脂腺に脂肪(マイボーム腺の分泌物)が詰まってできるしこりです。感染を伴わないため柔らかく痛みがありませんが、数週間~数か月と長く続くことがあります。

ホームケアと治療
どちらも温めることで改善を早める可能性があります。暖かいタオルでまぶたを温めること(15分ずつ1日4回)を試してみましょう。改善が乏しい場合や症状が強い場合は眼科医による抗菌薬治療や外科的治療が必要になります。

目から鼻へ涙を流す管(鼻涙管)が生まれつき詰まっているため、「生まれてからずっと涙目」「朝起きると目やにで目が開かない」といった症状が出ます。

ホームケア
ほとんどの場合1歳までに自然に開通します。その過程を助けるために、目と鼻の間を人差し指などで優しく押してマッサージすることを1日数回試してみてください。1歳を過ぎても改善しない場合は眼科専門医への受診をお勧めします。

目そのものは健康であるにもかかわらず、脳の視覚機能が発達途中で止まってしまい、メガネやコンタクトをつけても視力が十分に上がらない状態です。治療開始が遅れると視力がうまく上がらなくなり、将来の運転免許取得や職業選択に影響を及ぼすリスクがあります。斜視や不同視、まぶたの病気などが原因の場合、それらを早期に治療することで視力の回復が得られることもあるため、疑った場合には早期に眼科へ紹介させていただきます。

お子さまの小さな変化を見逃さないために

子どもの耳・鼻・目の症状は日常的によく生じますが、小さなお子さまほど症状を言葉でうまく伝えられないことも多く、その結果、症状の発見が遅れることもしばしばあります。だからこそ、保護者の方が直感的に感じた「いつもとなんか違う」がとても大切です。気になることがありましたら、どうぞいつでも気軽に相談してください。

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